2015年5月22日金曜日

ご質問にお答えします② 読み方によって伝わり方は違う

みなさま こんにちは。

先日のラジオ放送をお聴きになった方から、「同じ言葉でも、読み方によって全然違うんですね」という感想をいただきました。
(ちなみに再放送は明日23日午前6時〜7時まで NHK第2放送「文化講演会」です。)

そうですね。
言葉は、音声にすると、伝わり方は様々です。
言葉の意味のとおりに伝わる読み方もあれば、
言葉の意味のとおりに伝わらない読み方もあります。

そんな言葉を、その言葉がつながってできている文章を、的確な音声表現にするのが朗読です。


…でも、たまに、変化球があります。
これは朗読だけに限ったことではく、日常会話でもたびたび出てきます。

例えばこの言葉

「大嫌い」

あまりいい言葉でなくて申し訳ないのですが…、声に出してみてください。

今、みなさんが声にだした「大嫌い」は、こんな場面での「大嫌い」でしたか?

人参が嫌いなこどもに
母「人参も残さないで食べなさい!」
こども「大嫌いなんだもの」

強く「大嫌い」と言う子もいれば、悲しそうに「大嫌い」と言う子もいるかもしれませんね。
その言い方で、子どもの性格、母親との関係も、イメージがわきます。


では、こんな場面ではいかがでしょうか。

彼氏「ごめん、今週末のデートの約束、仕事でダメになっちゃったんだ…」
彼女「えーーー、大嫌い」

さあ、どんな「大嫌い」の表現になりましたか?

「大嫌い」と強く言った人もいれば、ちょっとすねたような「大嫌い」と言った人もいるかもしれませんね。
この場合は、大嫌いの言葉のなかに、残念な気持ちがたくさん入っています。
残念な気持ちを、言葉と声にどうのせて表現するのかによって、
彼女の気持ちだけでなく彼女の性格までも表現していることになるのです。

以上は、「大嫌い」という台詞を例に取りましたが、朗読は台詞以外のところも読むので、その読み方も問われるわけです。


詳しくは、明日23日の再放送(午前6時〜7時まで NHK第2放送「文化講演会」)をお聴きくださいませ。